サイコパスの有効活用?①

みなさんは、サイコパスという言葉をご存知でしょうか?

手元の辞典を引いてみたら、「精神病質(その人格のために本人や、社会が悩む、正常とされる人格から

逸脱したもの)である人」とあります。

簡単に言えば、やや病的な精神の人、ということになるのでしょうか。

2019年度3回目、今年になって行われた英検に、このサイコパスに関する興味深い文章があります。

The Positive Side of Psychopaths つまり「サイコパスの良い面」

Psychopaths–who are, incidentally, most often men–constitute roughly 1 percent of the population.

incidentally = 偶然に  constitute = account for, consist of ~からできている

「サイコパスー彼らは、たまたま、そのほとんどが男性なのだが、おおむね、人口の1%を占めている」

What sets psychopaths apart is their inability to empathize with the emotions of other people.   Self-centered, superficially charming, and persuasive, they pursue their goals with cold detachment, using whatever means they consider necessary.

 set apart = ~と区別する、~と違っている  inability = 能力がない事

empathize = 同情する  superficially = 表面的な  persuasive = 説得力のある

pursue = 追及する  detachment = 分離、孤立、超然、無関心 means = 手段

「サイコパスが、他の人たちと異なる点は、他の人たちの感情に対する同情心が欠けていることだ。自己中心的で、表面的には魅力的であり、かつ説得力を持ち、さらに彼らは、冷たい態度で目標を追求し、必要と考えることであれば手段を選ばない」

Moreover, they have little consideration for the social consequences of their action.

moreover = さらに  consideration = 思いやり、配慮  consequence = 結果

「さらに、彼らは、自分たちの行動が引きおこす社会的な影響については、ほとんど配慮しない」

Taken at face value, these traits would appear to be highly dangerous and toxic, as reinforced by the popular Hollywood conception of the psychopathic killer.

take at face value = 表向きの価値をそのまま受け取る trait = 特徴 toxic = 有毒な 

reinforce = 強化する conception = 概念、考え方

「物事の価値をそのまま受け取れば、このような特徴は、人気のあるハリウッド映画のサイコキラーのイメージによって強められている、きわめて危険で有害な人物のように思われる」 

 But the nation of the “successful psychopath” has existed for a long time.

notion = 考え方 

「しかし、『成功するサイコパス』という考え方は、長年存在してきた」

長い引用になりましたが、これが、この文章の一段落の大部分です。

ここまで、目を通していただくと、サイコパスというのがどういう資質を持つ人たちなのか、とてもよくわかってきます。

お読みになっていらっしゃるあなたも、ぜひ続きが読んでみたい、と思いませんか。

実は、この文章、英検の1級に出題された長文なのですが、読んでいくと、続きが知りたくてわくわくします。

テレビのコメンテーターとして活躍中の、中野信子先生も、「サイコパス」という著作を出版されています。

このサイコパスという言葉は、私の手元にある、少し前の辞典では、詳しく説明されてはいませんが、恐らく、いま現在、出版されたばかりの辞典、あるいは、これから出されるものには、より分かりやすい説明がなされていくだろうと考えられる言葉です。

こうした、最新の、あるいは、今まで聞いたことのなかった、耳新しい話題が、取り上げられるのも、英検の大きな魅力だと言ってよいでしょう。

そこで、次の段落に入っていくと、さらに面白い話が続くのですが、それはこのあとの、「サイコパスの有効利用?②」をご覧ください。

ここまでお読みいただいて、どうもありがとうございます。

 

 

 

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