音読の効用③

3回にわたって、音読の効用について述べてきました。

今回は、3回目ということで、最後の効用です。

いままで、①音読により、内容、英文構造、発音、イントネーション、リズムが身につくこと。

②音読により、スピーチや作文に応用できる英文が覚えられること。

を説明してきました。

③番目は、もっと深いところで、大きな思い出ができること、を挙げておきます。

子供のころからの愛読書のひとつが、フランスの作家、サン=テグジュペリの「星の王子さま」でした。

ほとんど毎日のように、読んでいました。

ある日、丸善に出かけると、この「星の王子さま」のカセットテープがありました。

そのころ公開された映画で「小さな恋のメロディ」という作品がありました。

この作品に主演した少年俳優とその一家が吹き込んだテープで、聞いてみると、その演技力が素晴らしく、最初の部分はアレンジしてありましたが、冒頭の数章を除くと、ほとんど省略のないものでした。

もちろん、原作はフランス人作家によるフランス語の作品だったのですが、今書店に行けば簡単に手に入る原作の忠実な翻訳がもとでした。

しかも、かえって英語で書かれたものではないので、英語独自の表現が少なくて、とても読みやすいものになっていたのです。

ちょうど、高校になるくらいだったため、このテープをダビングして、何度も何度も聞きました。

I lived my life alone without anyone who really talk to.  という文から始まって、心に染み入る英文が連続していました。

毎日、なる前に1時間ほど聞いていたため、よく父に「うるさいぞ!」と叱られたりもしました。

この「星の王子さま」を読み返してみると、わたし自身の語彙、表現がぼろぼろとでてきます。

ふと気が付くと、この本の中の英文が、頭の中でこだましていることに気付いたりもします。

ちょうど、そのくらいの時期に、エリック・シーガルの「ある愛の詩」も映画になり、ほぼ同時に、LP版のレコードが出て、これにほぼ全文のスクリプトがついていました。

このレコードはサウンドトラックだったため、映画のセリフも載っています。

後になってわかりましたが、舞台がハーバード大学だったため、そこの大学生の間でのイディオムや、スラングなども多い映画だったようです。

こちらも、スピードの速さや、聞き取りにくさに負けず、結構聞き込みました。

その後、「クマのプーさん」も録音テープが手に入ったりして、聞きましたが、当時としては、この二つのお話が、とても印象深く、「星の王子さま」は、日本語よりも英語の方が印象が強いくらいです。

そこで、3つ目の音読の効用として、あなた自身の人生に、英語で語られた物語を組み込むことができることを挙げておきたいと思います。

わたしたちは、自分の生きてきた人生の中で、さまざまな話を聞いたり、読んだり、しています。

そして、その聞いたり読んだりした話も、経験同様、自分のストックとして、身体の中に蓄えていくのだろうと思います。

読書好きとして、おそらく、他の人たちよりも少しは多く本を読んできたと思っています。

その経験によって、自分の人生が、とても豊かになったし、また、他の人にお話しできるようなストックも、たくさんできたように思います。

より人生を豊かなものにすること。それが、音読の大きなメリットなのだろうと思います。

 

わたしは、英語を学ぶ人たちに、こうした経験を経て、ご自分の英語人生を豊かなものにしていただけたらなあ、と考えてエブリを作りました。

それぞれの方に、英語を学ぶ理由はあると思います。

試験に合格するため、将来への階段を上るため、昇進のため、ライフプランのため。

それと同時に、英語を学ぶことで、すこしでもご自分の人生に、素敵な思い出や、かわいらしい物語を付け加えていくことができたら、それは一層素晴らしい事だと思うのです。

このブログの中でも、いくつかの英語の記事を読み、また心に残る英文を取り上げてきています。

これは、単に英語の勉強というだけではなく、こんなことが分かってよかった、と思っていただけるといいなあ、という気持ちで、書き込んだものです。

エブリ・イングリッシュ・サービスでは、英検1級、準1級、TOEIC,TOEFLといった、資格試験の準備を始め、時事問題や、シャーロック・ホームズなどのエンターテインメントを読んでいく、講座も開講しています。

こうしたコースを通じて、すこしでも「英語が人生のスパイスになる」とか、「英語のおかげで人生がもうひとつ面白くなった」と考えていただければ、こんなうれしい事はありません。

もちろん、ご一緒に、始めから英語の音読を始めていただくことも可能です。

どのようなご希望であれ、一度お問い合わせください。きっと、何らかの参考にしていただけるご返事ができると思います。

ホームページから、あるいは、お電話で、052-934-1030、ご連絡いただければ幸いです。

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