英検準1級受験のすすめ③英作文(つづき)

わたしたちは試験の対策というと、つい、模範解答をじっくり読みます。

これは、文法問題で会ったり、長文などの解答をチェックするためには大変良い方法です。

でも、英作文、ことに長文の自由英作文に関しては、あまり良い方法ではありません。

なぜでしょう。

誰が書いたかわからないからです。

え?それがなぜいけないの?下手な人が書いているわけはないから、いいんじゃないの?

そう思いますよね。

ネイティブの達人が書いた文だとしましょう。

手慣れた文ですね。たぶん、私たちが、試験時間内に書ける文ではないですね。

日本人の達人の文ではどうでしょう。

あ、難しい単語が使ってある。

この部分の文法構造が分からないな。

ここはどういう意味なんだろう。

自由英作文の模範解答は、文字どおり、模範になりうる、模範たりうる解答であって、ごく普通の日本人である、わたしたちが書くことのできる文とは、まるでレベルが違うこともあります。

だとすると、模範解答の文章を書き写したり、模範解答のレベルの文章を書こうとすることは、普通に日常の文章の書き方の練習なら良いかもしれません。

実際の試験時間中に、10分から20分程度の時間に作り上げなくてはならない、としたら、模範にするべきではない文章も、模範解答の中には存在する、ということです。

だとしたら、わたしたちが、参考にするべき模範解答の文というのは、むしろ、わたしたちが、簡単に書くことのできる分かりやすい文です。

そんな文はどこにある?

おすすめなのは、中学か高校初学年(1年生のことね)の教科書の文章。

このくらいだと、さらっと読んで、意味もざくっと取れますね。

中学校のテキストを一通り、やっておけば、単語さえ取り替えればたいていの文は書けます。

では、こういう文を書けるようにするにはどうすればいい?

簡単です。

書けばいい。

??

書き写せばいいんです。

教科書を繰り返し音読してください。

ある程度、スピーディに言えるようになったら、書き写す。

これをやると、すこしずつですが、頭に残ります。

これを毎日続けていると、だんだん、やさしい英語が書けるようになります。

教科書が嫌なら、ディズニーあたりの教材でも良いです。

わたし自身は、サン=テグジュペリの「星の王子さま」の英語版を使いました。

毎日、読んで、少しずつ覚えていきました。

お読みになった方はご存じだと思いますが、このはなしには、ずいぶん深い思想が含まれています。

でも、ひとつひとつの表現は、決して難しくはありません。

もちろん、固有名詞には、難しいものがあります。

聞いたことのない植物の名前も出てきたりします。

でも、よくしたもので、このやさしい本を、さらにやさしい英文にリライトした本も出ています。

「英作文は、英借文」

といわれたことがあります。

英作文は、「作る」のではなく、どこかで見た文を「借りてくる」のだ、というわけです。

可能なら、やさしめの英作文の本を一冊片づけておくとよいでしょう。

高校生の方にもおすすめできる英作文の本があります。

文英堂から出されている「高校入試 スーパーゼミ 英作文」。

高校入試?

そうなんです。この本は、英作文が得意でない人のために書かれた本ですが、後半は、さまざまな状況に合わせた和文英訳になっています。

まず、このレベルに挑戦しておけば、ある程度の文が、驚くほど楽に書けるようになります。

もう一つは何を書くか、という問題。

これはまた次回に。

 

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