わたしたちは試験の対策というと、つい、模範解答をじっくり読みます。
これは、文法問題で会ったり、長文などの解答をチェックするためには大変良い方法です。
でも、英作文、ことに長文の自由英作文に関しては、あまり良い方法ではありません。
なぜでしょう。
誰が書いたかわからないからです。
え?それがなぜいけないの?下手な人が書いているわけはないから、いいんじゃないの?
そう思いますよね。
ネイティブの達人が書いた文だとしましょう。
手慣れた文ですね。たぶん、私たちが、試験時間内に書ける文ではないですね。
日本人の達人の文ではどうでしょう。
あ、難しい単語が使ってある。
この部分の文法構造が分からないな。
ここはどういう意味なんだろう。
自由英作文の模範解答は、文字どおり、模範になりうる、模範たりうる解答であって、ごく普通の日本人である、わたしたちが書くことのできる文とは、まるでレベルが違うこともあります。
だとすると、模範解答の文章を書き写したり、模範解答のレベルの文章を書こうとすることは、普通に日常の文章の書き方の練習なら良いかもしれません。
実際の試験時間中に、10分から20分程度の時間に作り上げなくてはならない、としたら、模範にするべきではない文章も、模範解答の中には存在する、ということです。
だとしたら、わたしたちが、参考にするべき模範解答の文というのは、むしろ、わたしたちが、簡単に書くことのできる分かりやすい文です。
そんな文はどこにある?
おすすめなのは、中学か高校初学年(1年生のことね)の教科書の文章。
このくらいだと、さらっと読んで、意味もざくっと取れますね。
中学校のテキストを一通り、やっておけば、単語さえ取り替えればたいていの文は書けます。
では、こういう文を書けるようにするにはどうすればいい?
簡単です。
書けばいい。
??
書き写せばいいんです。
教科書を繰り返し音読してください。
ある程度、スピーディに言えるようになったら、書き写す。
これをやると、すこしずつですが、頭に残ります。
これを毎日続けていると、だんだん、やさしい英語が書けるようになります。
教科書が嫌なら、ディズニーあたりの教材でも良いです。
わたし自身は、サン=テグジュペリの「星の王子さま」の英語版を使いました。
毎日、読んで、少しずつ覚えていきました。
お読みになった方はご存じだと思いますが、このはなしには、ずいぶん深い思想が含まれています。
でも、ひとつひとつの表現は、決して難しくはありません。
もちろん、固有名詞には、難しいものがあります。
聞いたことのない植物の名前も出てきたりします。
でも、よくしたもので、このやさしい本を、さらにやさしい英文にリライトした本も出ています。
「英作文は、英借文」
といわれたことがあります。
英作文は、「作る」のではなく、どこかで見た文を「借りてくる」のだ、というわけです。
可能なら、やさしめの英作文の本を一冊片づけておくとよいでしょう。
高校生の方にもおすすめできる英作文の本があります。
文英堂から出されている「高校入試 スーパーゼミ 英作文」。
高校入試?
そうなんです。この本は、英作文が得意でない人のために書かれた本ですが、後半は、さまざまな状況に合わせた和文英訳になっています。
まず、このレベルに挑戦しておけば、ある程度の文が、驚くほど楽に書けるようになります。
もう一つは何を書くか、という問題。
これはまた次回に。
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