地元書店は四苦八苦②

前回に続き、ニューヨークタイムズ掲載の記事から。

前回掲載の英文に続く部分は、それぞれの書店がどのように売り上げを伸ばすために苦労しているか、という具体的な戦略が明らかになっています。

今回は、日本語で記事を見ていくことにします。

 

②1 それでも、地方の書店は、コロナ感染のさなかでも頑張って、再投資を続けてきた。書籍を顧客に送付する、これは、各店舗にとっては、ほんのわずかな収入源にしかならないが、それでも現在では、書店の売り上げの半分以上になったり、事実上、個人で書店を持たずに販売しているところでは、全額であったりする。道端で、販売するというのもよくある風景になってきた。

通信販売というのは、単価がある程度の金額であり、また扱っている書物が、普通手に入りにくいものであれば、有効性が高いのかな。

たとえば、亡くなった 吾妻ひでお先生がやっていたように、自分の同人誌を出す。

もともと吾妻先生は、連載物などを持っていたため、その続き、というか、続編を書くことで、当時のファンが購入してくれていた、という背景があるようです。

また、横溝正史さんの研究者が出している「横溝正史研究」などは、立派な単行本のようなもので、ファンだったら資料的な価値もあって、とっておきたい、という人もある程度はいるのではないかと考えられます。

新刊書店だと、たしかにアマゾンのような強大なライバルがいるので、いろんな工夫が必要になるだろう、と思います。次の段落には、そうした工夫も書いてあります。

 

②2 ジョージア州アトランタのアヴィド書店は、一人一人の読者のために選択したおすすめ本のリストを、個人的なURLで顧客に送っている。サンフランシスコのグリーンアップル書店では、「ステイ・ホーム、リード・ブックス」と打って、Tシャツ、フード付きスエット、マスクなどで2万ドル売り上げている。他の店でも、寄付してくれるように利用者にお願いしている。

確かにグッズという手もあります。

吾妻ひでお先生なら、グッズを出すことを考えてもよかったかもしれません。

 

②3 それでもこのような状態でも十分とは言えない。

②4 「誰かが話してくれたが、『いま取り組んでいるオンラインビジネスで、金をかき集めなきゃいけないぜ』」と、ブルックリンとニュージャージィのジャージィ・シティのワード書店のオーナー、クリスティン・オンラティはいう。「笑ってしまったわ」

この「笑ってしまったわ」には、「これ以上、何をやればいいのか思い付かないわ、規模も小さいし。グッズを作るにしても、儲けが大々的に出るほどの数を作ろうと思ったら、資金がいるし、それほどの数を売ることができるかどうかも疑問だわ」という、書店経営者のコメントが聞こえてくるようです。

 

②5 アメリカ中の書店がさまざまな要素によって異なる問題に直面している。ととえば、地元の経済や、コロナウイルスの感染状況などだ。しかし、いくつかの全体的な流行は表面化しつつあり、恐らくは、こうしたことが大きくなっている状況というものはほとんどそのすべてが、現在のところ、よくなっているとはとても言えない。

書店に限らず、さまざまな職種の小売店にとって、今回の、構造的不況に続く新型コロナウイルスは、とどめの一発、のようなボディーブローのような形できいてきているようです。

事実、日本でも、喫茶店、レストラン、緊急性のない生活物資のお店、工務店などが経済的に追い込まれてしまっているようです。

現在、復調しつつあるようにも思われる日本経済ですが、東京はなかなか感染者の人数が収まらないし、それ以外の地方でも、じわりじわりと長期にわたるにつれて、業者さんの耐えられる限界が来ているような気がします。

そういう意味では、この記事は、アメリカだけではなく、私たち、日本の小売店にとっても、予言というか、予見というような物の働きをしているのかもしれません。

 

エブリ・イングリッシュ・サービスでは、英検を中心に、通訳ガイド試験、TOEIC、TOEFL、などの試験対策、また、プライベートで、ライティング、コミュニケーション、リーディングなどの技術指導、初心者、中学生、高校生、受験生、ビジネス関係者などの方を対象とした、レッスンを実施しています。

もちろん、今読んできたような、時事問題も含めた、実戦的なレッスンも行います。

ご興味のある方は、ぜひご連絡の上、見学、体験にお越しください。TEL 052-934-1030 まで。

コメントは受け付けていません。