この記事は、最近のタイム誌からのものです。
①段落 パート1
One of evolution’s cleverest tricks was giving us a sense of shame. It’s a miserable feeling–low, humbling, publicly discomfiting–but it’s supposed to be: if you do something lousy you ought to feel something lousy, so you don’t do it again.
これは最初の段落です。一文ずつ読んでみます。
One of evolution’s cleverest trick was giving us a sense of shame.
この文の主語は、One of evolution’s cleverest trick までです。evolution は、「進化、発展」という意味ですし、tricks は、計略、たくらみ、いたずら、芸当、コツ、秘訣、癖、習慣、特徴 といった意味がずらずらと出てきます。
とりあえず、「進化の優れた働きの1つは、私たちに恥の感覚を与える、ということです」という意味になりますね。
次に、It’s a miserable feeling–low, humbling, publicly discomfiting–but it’s supposed to be.
これは、まず最初の部分、It’s a miserable feeling から見ていくことにしましょう。
miserable というのは、フランスの小説で、「レ・ミゼラブル」あるいは「ああ無情」と訳されている、文庫本でも6冊くらいある大長編がありますが、この言葉です。「みじめな、不幸な、哀れな」というような意味です。「それは、惨めな気持ちだ」
そしてーー(これはハイフンといいます)でつながれた、low,humbling, publicly discomfiting が続きます。
ーーハイフンは、「つまり」「だから」といったようなはたらきのことばです。
つづけて、low は high and low のlow で、「低い」ということですね。
humbling (=humble) は、「つつましやかな、謙遜した、いやしい、身分が低い、重要でない」といった意味が見つかりました。
publicly discomfiting は、まず、publicly が「公的な」discomfit は「裏を書く、望みをくじく、まごつく」ですが、最後の「まごつく」は、受け身で使う場合の意味です。
discomfiting は、~ing でおわっていますから、「望みをくじく」くらいでしょうか。
というわけで、この語群は、「低く、謙遜した、そして公的に望みをなくさせるような」というニュアンスだと考えればよいようです。
そして、そのあとが、but it’s supposed to be: 最後の: は、コロンといって、「つまり」「だとえば」という感じ。
suppose は、「~ということになっている、~と思われる」です。
したがって、全文通すと、
「進化の1つの賢い働きは、私たちに、恥という感情を与えたことになる。恥というのは、悲しい感情だー低くて、卑下しており、公的に希望をなくさせてしまうようなーしかし、それがその恥というものの含んでいる意味なのだ」
さらにつづけて、
if you do something lousy you ought to feel something lousy, so you don’t do it again.
lousy は、「見下げ果てた、ひどい、不愉快な」
そこで、「もしあなたが、自分が見下げ果てた人間だ、と感じざるを得ないひどい行為をしたなら、【そのような気持ちになるので】あなたは二度とそんなことはしない」
なんだか、読んでいるうちに気持ちが暗くなってしまうような段落ですが、まあ、こんな感じです。
タイムや、英検1級といった、レベルの高い文章を、こつこつ読み解いていきましょう。お電話052-934-1030、あるいは、このホームページのメールでご連絡ください。
英検1級、準1級、2級、通訳ガイド、TOEIC,TOEFLをはじめ、中学生、高校生の方のための英語専門教室です。ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度、ご見学ください。