「英語で考える本」

現在、英友社という出版社が「英語で考える本」を出し続けてくれているのか、残念ながらわかりません。

この本は、1968年2月に初版が出されて以来、松本亨先生の代表作として、長らく書店に置かれていました。

ただ、残念ながら、松本先生ご自身が1979年6月に亡くなられてしまい、その後も、1990年ごろまでは、まだ書店に並んでいたのですが、現在では、見ることもなくなってしまいました。

この本は、私も長らく私淑していた、松本亨先生の代表作といってよい英語教育書です。

松本先生は、25年にわたり、NHKラジオを通じて、「英語会話」という番組を放送されました。

この間に、基礎的な英語表現を巧みに活用して、生き生きとした英語のドラマを教材として、英語教育を実践されてこられました。

先生の素晴らしいところは、ご自分が、基本的な教材を、繰り返し音読して暗記する、という、ある意味、原始的と言ってもよい方法で英語学習を実践されました。

その結果、非常に自然な「英語らしい英語」をマスターされて、「日本人らしからぬ自然な英語」を使いこなす方でした。

その先生が、ご自分の信条でもある、「英語で考える」を具現するために、お書きになられたのが、この本です。

他にも、各種英語学習法、英作文を中心とする、学習書、音声教材、学校の経営などで活躍された先生ですが、そのなかでも、ライフワークであり、また、自信作でもあったのが、この「英語で考える本」です。

この本には、いくつも英語を学んでいくためのヒントがあげられています。

たとえば、ショート・ストーリィであったり、ちょっとした英語の質問ゲーム、あるいは、余り短くない英語の物語。英作文の必要性など。

一つ一つやってみると、結構大変で、それなりにやりがいがあります。

単なる理論による「英語の学び方」ではなく、実践的な学び方なので、始めてこうしたチャレンジをする方にとっても、とても有効なものだと思います。

というわけで、もし図書館や、古本屋、あるいは新刊書店で「英語で考える本」を見つけられたら、手にとって読んでみてください。

さらに、先生には、続編の「英語で考えるには」という練習帳もあり、これも参考になります。

また、松本先生の著書を紹介させていただきたいと考えています。

 

 

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