英検準1級以上の問題の英文には、明らかな特徴があります。
それは、おそらく読者にとって、新しい情報であること。
品詞と構文の関係が、きっちりととらえることができないと、誤解してしまうものであること。
そして、読みながら、頭の中で英文を具体的にとらえることができなければならないこと。
第一については、大学受験でも、一部の学校が出題するような、専門性の高い文章、たとえば、医学部で、患者の病状などや、治療法、あるいはautismのような、特定の病状に関する文章などがあります。
こうしたものは、受験生がすでに知っている「常識」では間に合わないものがあります。
特に、1級などでは、宇宙、医学、歴史といった内容が出されて、その分野に元々関心のある人でなければ、全く新しい知識であることがおおくあります。
もちろん、語彙じたい、こうした分野特有のものが用いられますから、それだけでも厳しいと感じられるでしょう。
そのために、2番目の、文法構造を正確にとらえることが必須になってきます。
準1級レベルに達するまでは、品詞や、文法の修飾などにあまりこだわらなくても、ある程度的確に解答することが可能でした。
したがって、英語総体に自信があるかたでも、案外、文法の特定項目に関して、あやふやなところがあったりします。
特に、「関係詞」や「仮定法」、「強調」や「倒置」などがあります。
また準1級で頻度が高いものに、「形容詞としての分詞」があり、意味がとりにくいことがあります。
たとえば、① The girl standing at the gate is my sister. と ② The dog came running. の例文などのようなものです。
①の文は、standing at the gate が直前のthe girlを修飾している分詞で、「門の所に立っている女の子」の意味になります。
②では、runningが、付帯状況(つまり「~しながら」)をあらわしていて、分詞であり、「犬が走りながら、やって来た」を表します。
こうした文法項目が、①、②のような平易な形ではなく、込み入った文中に出されると、意味が正確に取れなくなってしまいます。
長文の中で、「関係代名詞」を利用する代わりに頻繁に利用されるこうした表現を、目にしてすぐに頭の中で情報処理をして、具体的な「絵画」として描き出すことが、準1級では、特に必要です。