8.受身多用は【作文殺し】
日本語で書かれた英作文の参考書にはほとんど書かれていないのに、英語でネィティブ向けに書かれた作文の本にはかなりの確率で出てくる注意事項があります。
「受身を使うな」
故松本亨先生の「英作全集」にはそれぞれの作例のなかに触れられていることが何度もありました。
いわく、be動詞は、英文の勢いを弱めてしまう。
できるだけ、能動態で言えることは能動態で書くべき。
進行形はどうなるのか、というようなことは書かれていなかったのですが、受け身が、文章の勢いをなくしてしまう、ということは何度も述べられていた記憶があります。
最近、Painless Writingという本を読んでいたら、Passive voice rubs your writing of powerと書かれていました。
この本は、受動態をへらすべし、という項目で一章たてていて、そういう意味では、非常にはっきりと受動態に対して批判的な書き方をしています。
たしかに、Beth hit the ball over the fence. に比べて、The ball was hit over the fence by Beth.という文では、前者の持つパワーというか、勢いが失われてしまって、躍動感がなくなります。
おそらく、beという言葉自体が、I am a student.であったり、She is attractive. といったように、状態を表すことが多いせいもあるでしょう。
一般動詞であれば、動きを表現することになるので、Tom hits the ball. とかSally breaks down the window. といわれると、目の前で生き生きとした動きが感じられます。
総じて、私たちの書く文章にはbe動詞が多すぎるようです。この間、ある文章のbe動詞を数えてみたら、文の数より、beの数の方が多かったこともありました。
すこし気を使うだけで、ネィティブの方に与える印象が大きく違うのであれば、ぜひ試してみたいことの1つです。