エブリでは、実際に用いられている英文を使って、全訳していただくレッスンを行っていますが、生徒さんを悩ませる文章を取り上げて、何が問題なのか、考えていきたいと思います。
One year after northeastern Japan was battered by a 9.0-Magnitude earthquake and 130-ft.(40m) tsunami waves, coastal villages where photographers captured haunting images of devastation now exude an eerie calm.
ここで問題になるのは、どこまでが従属節、つまり補助的な節で、どれが主節か、ということです。One year after northeastern Japan で文が切れている、と勘違いされる方もいらっしゃいました。これはafterの後に節が続いているということに気づかないとわかりにくいかもしれません。
after の後はnortheastern Japan was battered by a 9.0 Magnitude earthquake and 130-ft.(40m)tsunami waves, とここまでが節になります。
したがって訳としては、「日本の東北部がマグニチュード9の地震と130フィート(40メートル)の津波に襲われて1年たって」となります。
後半ですが、coastal villages の後のwhere からdevastationまでは、関係副詞whereに引っ張られる形容詞節で、villages の説明をしています。
したがって、「カメラマンたちが被害の恐ろしい写真を撮った海辺の村々は」となります。
haunting は「繰り返し訪れる」「ずっと悩ませる」なので、ここでは「恐ろしい」と訳しておきます。
coastal villages の動詞はnow exude で、an eerie calm が目的語になります。
したがって、この文章の全文訳は、「日本の東北地方が、マグニチュード9の地震と130フィートの津波に襲われて1年、カメラマンたちが恐ろしい破滅の画像を撮りまくった浜辺の村々では、いまでは不気味な静けさが支配していた」という感じになると思います。
これはTIMEの文章で、単語の意味も、辞典で最初の意味とは限りません。ただ、それだけではなく、全体の構造をつかまないと、いくら辞典を引いても言いたいことが伝わってきません。多分、そこが英文解釈のむずかしさといえるのでしょう。