書店でもすっかり影の薄くなってしまった、紙の英語の辞典。
私たちの青春時代には、英語の勉強は、辞書を覚えていくこと、という神話もありました。
教室では、一人一人の生徒が、自分で見つけてきた辞典を見せ合って自慢していました。
「手ざわり最高!」とか「こんなことまで書いてあるんだ」なんて。
授業中に単語を調べる場合、他の辞典には書かれていない情報があると、鬼の首を取ったようなもの。
やがて、辞書は各学校の指定のものになりました。
たぶん、授業で「辞典の使い方」を指導するからでしょう。
いまは、学校指定の電子辞書になっていますからね。
本屋さんに聞くと、高校や中学の入学式では、教科書・参考書の販売があります。
そこでよく売れるのは電子辞書だそうです。
紙の辞典は重い。科目によって何冊も持っていかなきゃならない。検索も速い。
ページをめくって探さなくてはならない紙の辞典に対して、必要な語をクリックするだけですぐ、目的の単語が飛び出してくるのはありがたい。
そのうえ、単語の発音も教えてくれる。
ボタンひとつで、音声が出ます。
古い世代の私などは、ちょっとさみしくなります。
苦労して覚えた発音記号も、いらなくなりそうだけど。
でも、紙の辞典じゃないと、できないことがある。
電子辞書ではわからないけれど、紙の辞典だと、同じ単語を何回も引いていると気付きます。
一度単語を引くと、横に小さく、コンマのような印をつけておきました。
おぼえられなかった単語は involve で、横にはコンマが10個以上、ずらっと並んでいました。
この単語と自分は「相性」が悪いんだ、と思ってあきらめたものです。
(意識しなくなったら、覚えました)
古本屋さんに出かけると、安くなっている英和辞典や和英辞典を買ってしまうときがあります。
売れないせいなのかな。とても安く売っている場合があります。
使われていない、きれいな状態のものが結構あります。
持ち主にかわいがってもらえなかった(らしい)辞典にもう一度チャンスを与えてあげるのが、好き。
辞典君もちょっと喜んでいるようにも思えます。
みなさんも、たまには古本屋で辞典を探してみてください。思いがけない出会いがあるかも。