リスニング指導の難しさ1

リスニング指導の難しさ(その1)

職業柄、さまざまなレベルの方たちのリスニング指導をさせていただきます。

やりかたとしては、英語音を聞いていただいて、そのあとディクテーション(つまり、聞いた英語をかき取っていただく)というのが、一般的な学習法です。

知らない語や表現が聞き取れないのは、無理のないところです。

ただ、よく知っている(わかっている)はずの文を、まちがったまま理解してしまうことがあります。

問題になるのは、「聞き取りにくさ」です。

たとえば、I thought you had bought the bag the day before.(そのバッグを前日に買われたと思っていました)という文を想定してみましょう。

実際に読まれる場合には、I thought you’d bought the bag..と、you had boughtの部分が、you’d boughtという形になってしまうことがおおいのです。

ただ、I thought you bought the bag でも、ここまでなら、意味として矛盾がないので、ついスルーしてしまいがち。

ところが、このあと、the day before が続いてくることによって、文法的に矛盾が生じてきます。

つまり、thoughtしたのは、過去だ、(たとえば昨日だとしましょう)として、boughtしたのはいつか?

bought the bag の時点では、thoughtしたのと同じ「昨日」と考えられます。

そのあと、the day beforeがついてきたことで、「一昨日」である、ということになります。

このときに、文法的に考えてI thought you’dであったはず、と受け取る方と、実際に聞いた時点で、すでにyou’dの’dを聞き取っている方とに分かれます。

前者の理解に到達するためには、文法的な知識が必要です。

これに対して、後者の場合、聞き取り練習を増やすことで、「息の流れと停止」というべきポイントが聞き取ることができるようになります。

では、どうすれば、この点をカバーできるのでしょうか?

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