日垣隆「つながる読書術」

日垣さんのメルマガ「ガッキーファイター」のファンで、できるだけ新しく出された本にも目を通すようにしています。日垣さんのすごさは、あるものの基準を、数値化して出してくれることです。たとえば、この本では「本の読み方」として、一冊を三時間で読む方法として、「3つのポイントを抽出する」ことを挙げています。1、「おもしろい!」と思う箇所を10ヶ所2、「人と話し合いたい」あるいは「自分で考えたい」というテーマ…

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泡坂妻夫「奇術探偵曽我佳城全集」結び方のコミュニケーション

わたしが学生だった頃、「幻影城」という雑誌がありました。江戸川乱歩にも、推理小説の評論集として同名のものがありますが、これはおそらくそれからとったタイトルだったと思います。島崎博というもともと台湾の方が、書誌家としての膨大なコレクションを背景に、昭和初期の「探偵小説」を採録していた、エラリークィーン・ミステリマガジンのような雑誌でした。この「幻影城」が、創刊2年目ころに新人賞をはじめ、その受賞者の…

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花田深「妻は多重人格者」

恐ろしい話です。ある日、ご主人である著者とは関係なく会社を経営していた妻の借金を返済するように、という督促の電話が次々かかってきます。身に覚えのないことなので、花田さんは、対応に困ります。相手は、サラ金らしく、暴力団のような脅しをかけてくるものもあり、まともな業者ではなさそうです。妻に聞いても、らちが明かず、とりあえず、手持ちのお金で、払える分を払っていくのです。本来ならば、まずは銀行、つぎにまと…

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好井裕明「差別原論」

「差別はいけない」「差別することは許されてはいけない」これは、だれでも認めることです。だからといって、差別がなくなるわけではありません。わたし自身、ニューズウィークや、ヘラルド・トリビューンなどで、日本にある差別についての記事が出ていたときには、積極的に取り上げてきました。そして、その解説をしていく中で、差別に関する書物も何冊か読みました。この本の中で、ある女性が、「差別があることを認めなければ、…

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「一目惚れ」の不思議

竹内一郎さん、ペンネームを「さいふうめい」という方がいます。非言語コミュニケーションの専門家であって、またペンネームで「哲也 雀聖と呼ばれた男」というコミックの原作者でもあります。この方の書かれた『「見た目」で選ばれる人』という本を最近読みました。専門の「非言語コミュニケーション」について分かりやすく書かれてある著書なのですが、その中にとってもおもしろい項目がありました。一目惚れについてです。アメ…

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音読で大きく伸びた話

エブリに毎週通ってくださっている中学生の方がいらっしゃいます。現在、中学3年なのですが、1年のころから来ていただいています。彼女には、入会していただいてすぐに、安田一郎さんの「英語の文型と文法」という会話形式の文法の基礎の本を覚えていただきました。これは、レベル的には中学1年生の復習と、2年生の内容を含んだものでした。暗誦、という方法があっていたようで、毎回のレッスンを録音して、その次の週には、も…

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教室案内更新&スペシャル講座料金

教室案内のコース日程の更新がようやく出来ました。すでに12月からの新コースが始まっていたのですが、引っ越しでなかなか手が回らず、遅くなってしまい申し訳ありません。あと、スペシャル講座(グループレッスン)の料金が掲載されてませんでした。そちらのほうの修正ははもう少し時間がかかるので、とりあえずこちらに書かせていただきます。(1)英文エッセイを書こう!会話にも英検にも役立つ英作文コース 60分×13回…

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オアシス21の怪獣たち

西本智実さん指揮のミュージカル・コンサートが、愛知県芸術劇場で行われました。昨年は、「西本智実 with ミッシャ・マイスキー & ラトビア国立交響楽団」で、クラシックにはあまり詳しくない私でも、聞いたことのある曲が多く、西本さんの指揮する姿は凛々しいし、終了後踊り出してしまいそうなくらい、浮かれて夜道を歩いて帰ったのを憶えています。モーツァルトは脳にいいというのは聞いていましたが、音楽が体に響い…

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短文によるサクサク英会話

音読と、確実な基本の確立で、お勧めしているのは、短い文で話すことです。話すことに限らず、わたしたちは、日本語に甘えています。言い換えるなら、「・・・が」とか「・・なので」とかで繋げて、文をどんどん長くしてしまう。長い文はわかりにくい。日本語でももちろんそうです。英語だったら、言うまでもなく、その通りです!そこで、ぜひお願いしたいのは、中学レベルの基本文をきちんと覚えて、それを使って伝達する、という…

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新講談ホームズ奇談「火の地獄船」

以前ブログで、戦前の冒険小説作家、山中峯太郎の訳した「名探偵ホームズ」のことについてふれました。今日は、最近手に入れた、山中版ホームズのお話しをしてみたいと思います。子どものころに持っていた山中ホームズは「深夜の謎」一冊きりでした。先日、古本屋の店先でながめていると、ポプラ社文庫のホームズものが目にとまりました。それが「火の地獄船」でした。山中ホームズが、普通のホームズとどう違っているか。ホームズ…

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