北杜夫さん、亡くなる

今日、25日に作家の北杜夫さんが亡くなったことが報じられました。私にとって、北さんは、いわば大人の小説への扉を開いてくださった恩人です。朝日新聞に連載された「奇病連盟」が、いわば大人の小説への入門編になりました。躁と鬱をある程度周期的にくりかえす、躁鬱病(いまでは双極性ナントカというらしいですが)という病気を患っていらっしゃって、その病状が作風に大きな影響を及ぼしている面があったと伺っています。た…

続きを読む

鹿男あをによし(その2)

数年前にテレビで放送されていたドラマ『鹿男あをによし』。最近、またDVDを見直しました。原作を繰り返し読み、DVDも何回も見ているのですが、何となくほっとして、安心します。本はよく読む方だと思うのですが、このところ、小説が、あまりに「リアル」で疲れてしまうことがあります。悪い奴ばかり出てくるような小説を読んでいると、なんとなく、心がささくれだってしまって、あまり楽しめない。その点で、突如、鹿に話し…

続きを読む

1級英作文に挑戦!

英検1級には、自由英作文があります。この英作文が、かなり大変、とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。まず、基準がはっきりと示されていません。どういう文を書けば何点くらいとれるのか、まったくヒントがありません。いくつか条件は与えられているので、それから類推することはできるのですが、模範解答など見ても、その条件とは違った形になっているモノも多いのです。そこでお勧めしたい方法が、中学上級から高校初級レベ…

続きを読む

坂口安吾『不連続殺人事件』

愛読している推理小説のひとつが、坂口安吾の『不連続殺人事件』。戦後、『堕落論』で、人間が、自由に生きることを訴えたことで有名な坂口安吾。戦争中は、仲間を集めて、推理小説の謎とき部分を破り捨てて、犯人あてに興じたといいます。この安吾が、機会を得て、懸賞付きの犯人あて本格推理を書きました。それが、この『不連続殺人事件』であります。この作品は、戦争直後に、田舎に引っ込んだ金持ちによばれて、奇人変人、一筋…

続きを読む