北杜夫さんのこと

北杜夫さんが亡くなったときには、とても悲しく思いました。小学6年の時に、当時とっていた新聞に、北さんの「奇病連盟」が連載されて、毎日新聞が届くのを待ちかねて読んでいました。その後単行本になって時にも買ってもらって、何度もくりかえし読み、ボロボロになってしまったころ、全集が出ることになり、これも手に入れました。全集には、月報、という言うものがついており、これには北さん自身の『創作余話』が連載されてい…

続きを読む

ペンギン・ハイウェイ

「鹿男あをによし」のファンなので、万城目学さんの作風に似た作家はいないか、探してみたところ、森見登美彦さんの名前がよく上がります。「夜は短し歩けよ乙女」という山本周五郎賞受賞作品を借り出して読んでみましたが、どちらかというと、状況の面白さというより文章の楽しさの印象が残りました。その後、いくつかの作品を読んできて、森見ファンにもなってきましたが、最近になって、話題の新作「ペンギン・ハイウェイ」を読…

続きを読む

TOEIC対策(part3&4)

高校や大学の学生がTOEICに取り組むときに、大きな障害になるのはビジネス用語です。読めばわかる言葉でも、聞きなれていないと想像がつきません。TOEICを例にとると、リスニングのPart 3とPart 4 とがそれにあたります。初めて聞いた時には、何が言われているのかさっぱりわからず、途方に暮れてしまうという人も少なくありません。ここでお勧めの勉強方法は、ディクテーションです。わたしたちは、どんな…

続きを読む

JAPAN: One Year Later

タイム3月12日号の記事から。訳しにくい部分です。1段落。Cars no longer dangle from the upper floors of tottering buildings.車は、ぐらついたビルの上の階からもうぶら下がってはいない。2段落。The extraordinary resilience and cohesion of Japanese society helped th…

続きを読む

サイモン・アークの事件簿

エドワード・D・ホックといえば、ミステリの分野で、短編の名手とされている人物ですが、その代表作といってよい『サイモン・アーク』の短篇集がまとまっています。サイモン・アークは、年齢不詳、2000年も生きているということを口にしたこともある人物で、怪奇現象や、悪魔にまみえるために世界を渡り歩いていると言います。ワトソン役をつとめるのは、名前の出てこない「わたし」で、有名な出版社の上級編集者を務めていま…

続きを読む

TOEICにおける英文法

TOEICの受験を考えている人たちで、あまり文法を重要視していない方がいらっしゃいます。でも、それでは、なかなかあと一歩の向上に結び付きません。リーディングの部分の最初のpart 5 の101-140が文法的要素をかなり含んでいるのは、よく指摘されることです。たとえば、both A and B であるとか、either A or B といった表現が出てきます。これは、接続詞をやっておけば、必須で登…

続きを読む

1級英作文

英検1級の大きな得点源として、自由英作文があります。「与えられた課題(たとえば『貧困はなくすことができるに同意するか同意しないか』)について、下にあるポイント6つのうち3つを利用して、序論、本論、結論の3段落以上で200語程度の英文を書きなさい」そしてこの後に、教育、技術、国連など6つのポイントが提示されます。英検協会は、これ以上の情報を出していませんので、どのような基準で採点されているのかよくわ…

続きを読む

音読のスピード

エブリでは、レッスンのはじめに音読をくりかえしていますが、どのくらいで読むべきなのか、考え方の分かれるところのようです。You Tube にあげていますので、レッスンの中での音読のスピードについてはご覧いただけばわかると思います。よくご質問されるのは、このスピードが必要か、ということと、どうやったら、この速度に達することができるか、という点です。ある出版社の出している「音読トレーニング」の本につい…

続きを読む

TOEICテストスコアアップ音読トレーニング

この本の裏表紙に書かれている文章です。「TOEICテストで満点990点を取るためには、リスニングでは45分間で100問、リーディングでは75分間で100問を正答しなくてはなりません。これはリスニングは27秒で1問(45×60÷100=2700÷100=27)、リーディングは45秒で1問」75×60÷100=4500÷100=45)を解く必要があるのです。」そして、「TOEICテストは、とにかくスピ…

続きを読む

能面殺人事件(高木彬光)

全編が手記という形で構成された、探偵がその活動を事細かに記載するという、(作中登場人物の)高木彬光によれば、「世界に類のない」推理小説。これは「刺青殺人事件」でデビューした高木氏が2作目に執筆した作品です。わたしにとっては生まれて初めて読んだ大人向けの長編推理でした。日本家屋で画期的な密室殺人を生んだとして話題になった「刺青」に対して、「能面」の評価は低いようですが、わたしとしては、これほど時を忘…

続きを読む