ホームズ、復活!

送られてくる通信販売のカタログでも、ほぼ確実に載っているジェレミー・ブレッドの「名探偵ホームズの冒険」のテレビ・シリーズのDVDボックス。この中でも好きな話が「空家の冒険」です。さきごろ、この作品のDVDを見直して、こまかな部分の記憶がよみがえりました。これは、原作ではThe Return of Sherlock Holmes (シャーロック・ホームズの生還)の最初の話です。作者コナン・ドイルが、…

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本棚探偵の生還

前回、ふれておいた「本棚探偵」のシリーズです。「帰還」か「生還」か、どちらになるか?ということだったのですが、これは、創元推理文庫版の邦訳である「生還」を選んでもらえたようです。(実は、新潮文庫版では「帰還」で、「生還」か「帰還」のどちらを本来の訳とするかは、その人が最初にどちらの文庫に遭遇したかによるところが多いようなのです)ところで、電車の中というのは、本を読むのに最適の場所です。通学電車の中…

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「冒険」「回想」とくれば・・・

「本棚探偵の冒険」「本棚探偵の回想」という本があります。イラストレーター、マンガ家であり、またこれらの本でもわかる、名だたる古本収集家の喜国雅彦さんの著作です。それでは、最近出版された本棚探偵の三作目のタイトルは・・?もちろん、帰還か生還であるはずです。そして、次回作のタイトルは、「最後のあいさつ」でなくてはなりません。え、どうして・・?シャーロック・ホームズをご存知ですか。イギリスの作家、コナン…

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アインシュタインは間違っていたのか?

最近、ある実験で、ニュートリノのほうが、わずかながら光の速さより速い、という結果が出て、世界中の物理学者がおおさわぎ、という記事がタイムに載りました。この記事の中で、気になった表現をいくつか拾っていきます。まず、a stock phrase。「お決まりの表現」のような言い方です。Physicists have a stock phrase they trot out whenever someon…

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消しゴム2丁拳銃?

ノートをとっていて、間違えたらどうしますか。消しゴムで消す、という方がたくさんいらっしゃると思います。ロケット学者の糸川英夫さんという方が、勉強の仕方の本を書かれています。この本に、「消しゴムは使うな!」という言葉が何度も出てきます。糸川博士によると、間違いというのは、自分の弱いところをはっきり示してくれている。これは天の声のようなもので、弱点を教えてくれているのである。それを消しゴムで消してしま…

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奇病連盟

「奇病連盟」は、作家北杜夫さんの作品です。子供の頃、当時とっていた朝日新聞に連載されていて、毎日楽しみにして読んでいました。山高武平(ぶへい)は準大手製薬会社のサラリーマン。朝起きるのが苦手なフクロウ型の彼は、午前4時にはばっちり目を覚ますヒバリ型の母親と同居して、なんとなく疲れてしまっている37歳の独身男。武平には、奇妙な病気があって、それは4歩ごとにぴょっこりとのびあがってしまうというもの。こ…

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北杜夫さん、亡くなる

今日、25日に作家の北杜夫さんが亡くなったことが報じられました。私にとって、北さんは、いわば大人の小説への扉を開いてくださった恩人です。朝日新聞に連載された「奇病連盟」が、いわば大人の小説への入門編になりました。躁と鬱をある程度周期的にくりかえす、躁鬱病(いまでは双極性ナントカというらしいですが)という病気を患っていらっしゃって、その病状が作風に大きな影響を及ぼしている面があったと伺っています。た…

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