幽女の如き怨むもの 2012年7月23日 2019年2月1日 ホラーミステリーです。遊郭の花魁が、何人も身を投げていきます。朋輩たちに止められるものもあり、また亡くなるものも当然います。誰もいないはずの、特別室のなかで足跡がしたり、誰もいないはずの行き止まりの廊下を歩く花魁の姿が見えたり・・。4部構成になっています。1部では、若くして遊郭に売られた少女が花魁になっていくまで、そして、戦前の遊郭での身投げ事件が描かれます。2部では、遊郭を引き継いだ若いおかみの… 続きを読む
森博嗣「すべてがFになる」 2012年6月27日 2019年2月1日 1996年に出版されたミステリ小説です。現在、久しぶりに読み返していますが、初めて手に取った時に感じた、独特の雰囲気は、全く変わりません。それは、なにか。一言でいえば、理系ミステリ。わたし自身は、根っからの文系で、論理性というのは、あくまで後付けでくっついてきている思考法であることがよくわかります。本質は、感情が支配しています。たとえば、この本の中で、「機械にのせて死体を運搬するために、身体の一部… 続きを読む
英語の文型と文法 2012年5月30日 2019年2月1日 NHK続基礎英語「英語の文型と文法」(安田一郎)日本放送出版協会わたしの気に入っている教材は、絶版になってしまうことが多いのですが、これもそのひとつ。わたし自身が中学2年生のころに毎晩7:15から15分間聞いていたNHKラジオの番組で、パタン・プラクティスが多く、くりかえして言っているうちにだんだん英語力がついてくるプロブラムでした。エブリを創設した時、初心者の方向けの教材として重宝しました。また… 続きを読む
新英会話教本 松本道弘他 2012年5月28日 2019年2月1日 スピーチ、ディスカッションにふさわしい教材はないか、と昔読んでいた本をいくつか探し出しました。日本英語教育協会の「新英会話教本」(英検1級レベル)松本道弘、E.カッケンブッシュ共著。1981年4月刊行。この本の構成は、Part 1 Communication Part 2 Speech Part 3 Discussion & Debateとなっています。量的にはPart 1が一番多くて、つ… 続きを読む
D.カーネギー「道は開ける」 2012年5月24日 2019年2月1日 「本書から正真正銘の永久的な奥義を得たいというのなら、一度だけサッと飛ばし読みすれば十分だなどと考えないでいただきたい。本書を精読し終わった後でも、毎月、本書の内容を思い起こすために数時間を割くべきであろう。何度も、本書を拾い読みすべきなのだ。まだまだ手近なところに大きく改善できる余地があることを絶えず自分の念頭に入れておいてほしい」(デール・カーネギー【道は開ける】香山晶・訳、創元社)これはまさ… 続きを読む
南極料理人 2012年5月4日 2019年2月1日 堺雅人さんにはまっています。以前、「武士の家計簿」という映画を見て、はじめて堺さんがとてもリアリティのある演技者であることを知りました。「ゴールデンスランバー」では、国家の陰謀に巻き込まれてひたすら逃げる役。これも堺さんの持ち味である人のよさが、他の人から協力してもらえる理由なのだな、という説得力を持ちました。「クヒオ大佐」では、実在の結婚詐欺師をモデルに作られた映画ですが、ディカプリオの「キャッ… 続きを読む
恩田陸「夢違」角川書店 2012年4月30日 2019年2月1日 夢をデータ化して、後で医療機関による検証が行うことのできるようになった時代。古藤結衣子は、この時代、唯一、予知夢を見ることができる、と認定された人物だった。古藤が事故で亡くなって以来、浩章は、仕事で夢のデータである「夢札」の読みとりをおこなっている。すると、仕事の依頼がある。ある小学校で、集団白昼夢のような現象が起こっている。その子どもたちの夢を分析してほしい、というものだ。久しぶりに読んだサスペ… 続きを読む
猫弁 2012年4月29日 2019年2月1日 最近、現実世界では、あまりにこの間、吉岡秀隆さん主演の「猫弁」を見て、とてもほっとしました。殺伐とした事件が起こっているので、こうしたほのぼの系を見ると本当に癒されます。ある葬儀場で、霊柩車が盗まれます。ドライバーの人が、トイレに行っていたわずか3分間のすきに乗り込んだ2人の人物が運転していってしまいます。当然、霊柩車の中に入っていたはずの遺体が盗まれたわけです。そして、遺体を返してほしければ、1… 続きを読む
原稿用紙10枚を書く力 2012年4月11日 2019年2月1日 著作の多い斎藤孝さんの書かれた本です。(大和書房)この本で感心したことは3つあります。ひとつは「価値を下げる文は書かない」。よくインターネットなどを見ていると、質問した人を馬鹿にするような文章が載っていたりします。斎藤先生は、こうした文章は書くべきではない、とおっしゃいます。たしかに、わたしが読んでいても、とても不愉快に感じられる文章もあり、すごくやる気がなくなってしまうことが多い。特に、批判と個… 続きを読む
Will You Take Care of Me? 2012年4月9日 2019年2月1日 これは、ある本の原題です。どう訳しますか。これは、先ごろこのブログで紹介させていただいた、「いつまでもすきでいてくれる?」のもとのタイトルです。これを読むと、絵本などの訳が、どれほど、作者の言わんとすることを伝えることに重点を置いているかよくわかると思います。「たいせつなきみへ」という絵本があります。これは、人形の町のお話です。人形たちがたくさん住んでいる町があります。この町の人形たちは、みんなひ… 続きを読む